山口県指定無形民俗文化財「北浦地方のサバー送り」

こんにちは。橋本です。

早くも8月になりました。夏休みも後1ヶ月!夏休みの宿題は終わりましたか?

先日、道の駅豊北に小学生高学年くらいの子が来られたのですが、自由研究で道の駅の事を調べているので教えてください。との事!

最近の小学生の夏休みの自由研究ってすごいなぁと、ちょっとビックリしました。私の小学生の頃は自由研究といったらカブトムシとか朝顔とかの観察だとかだった気がします。

ちゃんと自由研究に相応しい応答ができていたらいいな。とは思いつつも質問に答えさせていただきました・・・・。他の道の駅も調べているみたいでどんな研究発表になるのか頑張って欲しいです。

さて、数日前から豊北町のある場所に来られているサバー様、サネモリ様を発見しました。

『サバー様』『サネモリ様』とは何ぞや????と思われる方が多いかと思います。写真を見ても竹に藁つけた廃棄物のように見えるかもしれませんが、きちんと伝統に則って作成した藁人形です。

『サバー様』『サネモリ様』とは、「サバー送り」と言われる伝統行事になります。

「サバー送り」とは、「虫送り」とも言われ、田植え後に行われる稲の虫除けの習俗のひとつで農作物の害虫被害を防ぐための願掛けの行事でもあり、住民がリレー方式で地域外に送り出していくことで稲の害虫を追い払う伝統行事です。

「サバー様」は稲につく害虫「ウンカ」を神格化したもので、「サネモリ様」は「斉藤実盛」の事を示します。「斉藤実盛」は源平合戦で乗っていた馬が稲株に足を取られ転倒したところを敵に打ち取られ無念の死を遂げた為、打ち取られる原因となった稲株を恨み、実盛が稲を食い荒らす害虫(稲虫)になったと言われていて、そのため地域によっては稲虫(ウンカ)を実盛虫とも呼ばれているそうです。

出発は長門市東深川の飯山八幡宮。途中、豊北町に入ると海岸沿いルートと山間ルートと年によってかわるようですが、最終地点は宇賀地区に到着し、最終的に海に流されるそうです。因みに約50㎞の長旅になります。

昔から色々な言い伝えがあり、豊北町では「見つからないように運ぶと不幸にならない」というものがあったり、他の地域では、「ウンカを連れてくるので、見つけたら夜、人知れず動かすこと」「虫を付ける(虫を引き寄せ藁の中に封じる)ものだから1~2日は置いておかなければいけない」「自分の嫌いな人の家の前に置いてくる事」「長く置いておくとその家に不幸ごとが起きるが、早く動かせばその家に幸福が訪れる」などなど。

ただ「サバーさま」「サネモリさま」は誰にも分らないように「誰かの手によって」夜な夜な移動するようです。

色々ありますが、「サバー様」「サネモリ様」を移動せずに置いたまま朽ちさせてしまうと祟りがあるとされています。逸話もあり、朽ちさせた場所の稲が枯れたり、面白半分で悪戯したり蔑ろにした場合、大怪我をしたりと様々です。

害虫を神格化し具現化するこの「サバー送り」の形態は全国的にも珍しく山口県の無形文化財にも指定されています。

もし「サバー様」「サネモリ様」を目撃された方は、どうぞその長旅を見守ってあげて下しませ。