道の駅 北浦街道ほうほく For Foreign Tourists

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スタッフブログ 2025.09.08

山口市菜香亭の田耕焼

心せよ 身のうきことは しらぬ間の よろこぶうちに きさすなるらむ(井上馨/菜香亭所蔵掛軸)

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは曇り時々雨。未明は雷も轟いていましたが、月食も雲は多かったけれど見ることができました。残念ながら、撮影はうまくいきませんでした…。

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

先日、山口市菜香亭に行きました。明治10(1877)年創業、平成8(1996)年に休業した、山口市の料亭・菜香亭を移築したもの。120年にわたり、近代における山口の迎賓館として使われていました。平成16(2004)年、現地に文化交流施設としてリニューアルオープン。

山口県は、初代内閣総理大臣・伊藤博文(いとうひろぶみ:1841~1909)をはじめ、歴代8人の首相を輩出。菜香亭は、彼ら政治家や文人をもてなしてきました。特に佐藤栄作(さとうえいさく:1901~1975)は菜香亭に多く滞在し、通称「佐藤の間」なる部屋もあります。残念ながら現在は工事中で、今回は見ることができませんでした。

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

菜香亭の大広間には、井上馨や佐藤栄作など著名人の扁額29枚と、ゆかりの所蔵品が展示されています。その中に、豊北町田耕(たすき)で作られた「田耕焼」がありました!

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

近代初期の豊北町は、陶磁器の生産が盛んだったようです。田耕村で江戸時代の終わり近く、安政元(1854)年に和田恒太郎が窯を創業しているほか、滝部や神田下にも窯がありました。豊北町滝部の豊北歴史民俗資料館・太翔館では、日常で使われていた豊北町の焼きものを展示しています。

 

下関市立豊北歴史民俗資料館「太翔館」 山口県下関市豊北町滝部

 

生活用品を地域で生産していた江戸時代から明治維新を経て、一時は中国や朝鮮半島に輸出するまでになりました。しかし、鉄道など交通網の整備が進むと大規模な生産地に押されてか、田耕焼は明治後期から大正期にかけて衰退。現在では田耕地区に窯工場は存在しません。

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

心せよ 身のうきことは しらぬ間の よろこぶうちに きさすなるらむ(井上馨/菜香亭所蔵掛軸)

心せよ 身のう(憂)きことは し(知)らぬ間の よろこ(喜)ぶうちに きさ(きざ/兆)すなるらむ(井上馨/菜香亭所蔵掛軸)

気をつけなさい、身の災いは知らないうちに、喜んでいるうちに芽生えるものです。

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

今回の冒頭は、菜香亭大広間の床の間に飾られていた、井上馨(いのうえかおる:1836~1615)の和歌。萩藩の維新の志士として活動、幕末に英国留学した長州ファイブのひとりです。明治維新後は政治家として活躍し、外務大臣などを歴任。菜香亭にとっては、名付け親でもあります。

 

山口市菜香亭 山口県山口市

 

上手くいっている時でも用心を怠るなというこの和歌は、政治家としての戒めなのでしょう。華やかな場である料亭に飾るにはどうかと思わなくもないですが、地元の後輩に贈る言葉かもしれません。田耕焼の華やかな時代を象徴する大皿に感じる栄枯盛衰にも、通じるものがあります。

 

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町

 

道の駅ほうほくにも、豊北町の焼きものがあります。かつて栄えた地域の窯を偲びつつ、ぜひどうぞ☆