夜半至函谷關。關法、鶏鳴方出客。恐秦王後悔追之。客有能為鶏鳴者、鶏盡鳴。遂發傳。出食頃追者果至、而不及。(曾先之『十八史略』巻一「春秋戦国」斉)
おはようございます。山田です。今朝の道の駅豊北は曇りですが、空が明るいのでだんだん晴れそうな気がします。
今日は節分なので、道の駅豊北でも、豆まき用の豆や、恵方巻として食べられる太巻をご用意しています。売り切れ御免!
節分と言えば鬼。そして道の駅豊北がある下関市豊北町で鬼と言えば、やはり角島にある「鬼の岩(おにのいわ)」でしょう。
昔々、島戸の高坪山にはたくさん鬼が住み、わるさをして人々を困らせていました。そこで住吉の大神が、鬼たちに賭けを申し込みます。「一夜のうちに島戸と角島の間の海を埋め立てて陸続きにできたら、何でも望みを聞いてやる。できなければ出ていけ」と。
鬼たちは張り切って岩を海に投げ込み、どんどん埋め立てました。このままでは、夜のうちに、陸続きになってしまいそうです。
そこで、住吉の大神は木の上に登り、夜明けを告げる一番鶏(いちばんどり)の鳴きまねをしました。もう夜明けだと勘違いした鬼たちは、自分たちが負けたと思い、慌てて逃げてしまいました。この時、鬼が掴んで投げた岩のひとつが、角島の鬼の岩。だから今でも、岩をつかんだ鬼の手形が残っているのです。
道の駅豊北のご近所、下関市豊北町粟野にある長州菓子処だるま堂さんには、この鬼の岩をモデルにした和菓子「鬼の岩」があります。こし餡と栗をひと粒、麦焦がし(はったい粉)で包んで焼いた、昔なつかしい味のお饅頭☆
夜半至函谷關。關法、鶏鳴方出客。恐秦王後悔追之。客有能為鶏鳴者、鶏盡鳴。遂發傳。出食頃追者果至、而不及。(曾先之『十八史略』巻一「春秋戦国」斉)
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夜に函谷関(かんこくかん)に着きました。この関所は、夜明けの一番鶏が鳴くと、旅客を通しています。(孟嘗君は)秦王(昭襄王)が(釈放を)後悔して(やはり捕まえておこうと)追いかけてくることを恐れていました。(孟嘗君の)配下の客分に、鶏の鳴き声の上手い者がいて、(一番鶏の鳴きまねをして)鶏を一斉に鳴かせ、(朝が来たと関所の役人に勘違いさせて)関所を通ることができました。ほどなくして、やはり追手が来ましたが、とうとう追いつくことはできませんでした。
今回の冒頭は、曾先之『十八史略』から、「鶏鳴狗盗(けいめいくとう)」のエピソード。「鶏鳴狗盗」とは、意味のなさそうな技やその持ち主のことを指し、場合によっては役に立つということにも使います。『十八史略』は中国の歴史書で、『史記』以下『五代史』までの17書と宋史の概略。初心者向け。
紀元前3世紀頃、中国大陸は春秋戦国時代。斉国の王族である孟嘗君(もうしょうくん)が、秦国の昭襄王(しょうじょうおう)に囚われそうになり、逃げる中でのエピソード。鬼の岩のお話と同じく、一番鶏の鳴きまねが問題解決のきっかけになるところが面白く、日本でも有名でした。
道の駅豊北には、たまごも置いています。たいていお昼には売り切れる人気商品。来週2/11(土祝)には、先着100名様お一人様1パック限定100円で販売します。ぜひお越しください☆