海にむかふ こゝろや直に 初手水(田上菊舎/『手折菊』風)
おはようございます。山田です。遅ればせながら、あけましておめでとうございます!
お正月三ヶ日が過ぎて、道の駅豊北も、少し落ち着いてきたところ。売店ほうほく夢市場では、食べ物ばかりに目を奪われていましたが、手芸品コーナーも充実していますね☆
道の駅豊北の謳い文句「海と夕陽が見える丘」の通り、海にちなんだ品もあります。こちらは、シーグラス。
「シーグラス」は、海に落ちたガラスが、自然の中で研磨されたもの。表面はすりガラス状で、濡らすと元のガラスの様に透き通る特徴があるとか。すぐそこに、海を感じる( *´艸`)
今回の冒頭は、田上菊舎(たがみきくしゃ:1753~1826)の俳句。菊舎は俗名を田上道と言い、長府藩士・田上由永の娘として田耕村(下関市豊北町田耕)で生まれ、若くして夫と死別。俳諧の道を志して出家し、日本中を旅した文人として知られます。
或年、萩城なる聴雨雅士の別荘樹々亭に春をむかへて
海にむかふ こゝろや直(すぐ)に 初手水(はつちょうず)
「聴雨」とは、俳句仲間である萩藩士・ハ谷直人の雅号。この句は、ある年、萩(山口県萩市)にある聴雨の別荘「樹々亭(じゅじゅてい)」に滞在して新春を迎え、その年初めて手を洗った(朝の洗顔)ことを詠んだもの。
菊舎が名付けたという「樹々亭」は、後に萩藩士・杉百合之助が買い求め、現在は幕末の志士・吉田松陰誕生地として整備されています。「団子岩」と呼ばれる高台にあり、萩城下町を見下ろして、海がすぐそこにあるかのような眺め。
「初手水」とは、元旦の朝の洗顔をあらわす季語。樹々亭での初手水は海がすぐそこに見えて、海で初手水を使う心地がする…というところでしょうか。
さて、海を望む景色と言えば、もちろん道の駅豊北。眺望日本一と噂の屋外化粧室(特に男性用)で、菊舎の一句にひたってみるも良し。レストランや展望テラスで、菊舎になった気分で一句ひねってみるも良し。
道の駅豊北の情報コーナーには、菊舎顕彰会さん設置の投句箱があります。良い句ができたら、ぜひ投函して行ってください(^o^)/