道の駅 北浦街道ほうほく For Foreign Tourists

今月の営業時間

売店・・・・・・・・・・・・・8:30~18:00

パン工房・・・・・・・・・・9:00~17:30(定休日に加えて 7/9・7/23は臨時休業

レストラン・・・・・・・10:00~18:00(オーダーストップ 17:00)

今月の定休日

…定休日 

…臨時休業

※7月9日(火)パン工房のみ臨時休業

※7月23日(火)パン工房のみ臨時休業

newsお知らせ

スタッフブログ 2023.07.31

弥生人も食べていた瓜(うり)

山城の 狛のわたりの 瓜つくり なよや らいしなや さいしなや 瓜つくり 瓜つくり はれ 瓜つくり 我を欲しと言う いかにせん なよや らいしなや さいしなや いかにせん いかにせん はれ いかにせん なりやしなまし 瓜たつまでにや らいしなや さいしなや 瓜たつ間 瓜たつまでに(催馬楽『山城』)

道の駅ほうほく 展望テラスより(山口県下関市豊北町)

こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは、空にうっすら雲が出ていて、暑さがしのぎやすそう。お出かけ日和ですね!

マクワウリ 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

 

山城の 狛のわたりの 瓜つくり なよや らいしなや さいしなや 瓜つくり 瓜つくり はれ 瓜つくり 我を欲しと言う いかにせん なよや らいしなや さいしなや いかにせん いかにせん はれ いかにせん なりやしなまし 瓜たつまでにや らいしなや さいしなや 瓜たつ間 瓜たつまでに(催馬楽『山城』)

山城(やましろ)の 狛(こま)のわたりの 瓜(うり)つくり なよや らいしなや さいしなや 瓜つくり 瓜つくり はれ 瓜つくり 我を欲しと言う いかにせん なよや らいしなや さいしなや いかにせん いかにせん はれ いかにせん なりやしなまし 瓜たつまでにや らいしなや さいしなや 瓜たつ間(ま) 瓜たつまでに(催馬楽『山城』)

山城国(やましろのくに:京都府)の、狛(こま:木津川市山城町)のあたりの、瓜農家、ナヨヤ・ライシナヤ・サイシナヤ、瓜農家、瓜農家、ハレ、瓜農家、私を嫁に欲しいと言うの、どうしよう、ナヨヤ・ライシナヤ・サイシナヤ、どうしよう、どうしよう、ハレ、どうしよう、そうなってしまうのかしら、瓜が熟するまでには、ライシナヤ・サイシナヤ、瓜が熟する間に、瓜が熟してしまうまでに(催馬楽(さいばら)『山城(やましろ)』)

ソーメン瓜 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

今回の冒頭は催馬楽『山城』から。催馬楽(さいばら)は平安時代に流行した歌謡で、笛や琴などの楽器による伴奏がついて歌われました。寺院の法会で奉納されたり、同窓会での校歌のように宴会の場で参加者が一緒に歌ったりしたのでしょう。

タイトルの「山城(やましろ)」は地名というか(山口県を長門・周防と言うような)旧国名で、現在の京都府のこと。「狛(こま)」は、京都府木津川市山城町(昔の相楽郡山城町)にある地名。「ナヨヤ・ライシナヤ・サイシナヤ」「ハレ」は囃子言葉(はやしことば)で、そこで言うことがお約束になっている掛け声のようなもの。

「瓜(うり)つくり(作り)」は、ここではわかりやすく「瓜農家」としましたが、狛は瓜の産地として知られていたのでしょうね。瓜作りをしている農夫に口説かれて、どうしようという女の悩みをユーモラスに歌っています。

沖縄うり 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

瓜は、考古学的には「メロン仲間」とされたりして、弥生時代から食べられてたことがわかっています。とはいえ、その頃の瓜は、ピンポン玉のような小さな果実をつけるザッソウメロン。古墳時代以後に多様化し、シロウリやマクワウリの仲間が作られたとのこと。道の駅ほうほくでは、マクワウリやソーメン瓜も扱っているので、古代に思いを馳せながら食べてみるのも一興かと。

土井ヶ浜遺跡・発掘調査開始70周年記念、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム開館30周年記念企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』 (山口県下関市豊北町)

道の駅ほうほくからほど近い、下関市豊北町にある土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアムでは、土井ヶ浜遺跡発掘調査開始70周年記念、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム開館30周年記念企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』を開催中!

土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム入口 「鵜を抱く女」看板 (山口県下関市豊北町)

2000年前の土井ヶ浜に暮らした弥生時代の人々の、衣食住など生活スタイルが少しずつわかってきていますが、個人的に宣伝したいのは、土井ヶ浜遺跡のヒロインと言えば、「鵜(う)を抱く女」ですが、なんとあの鳥は「鵜」じゃなかったそうです!

土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

そして、土井ヶ浜遺跡で出土していた鉄器。これまで下関市の弥生時代は、金属器出土状況で見ると、南ほど濃く北に行くほど薄い…つまり、市街地の方が都会で豊北町は過疎地みたいなイメージだったのですが、土井ヶ浜でも鉄器が出土しており、しかも棒状鉄素材の可能性があるとか。できあがった鉄器がたまたま持ち込まれたのではなく、鉄器を作る製作流通ルートに位置していたかもしれません。興奮しますね!

土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

そして今回の展示では、女性が楽しい貝や石や金属を加工したアクセサリーもたくさん。翡翠(ひすい)製の勾玉(まがたま)は、新潟県糸魚川(いといがわ)産の硬玉翡翠。碧玉(へきぎょくせい)製の管玉(くだたま)は、石川県小松市産がほとんど。アマゾナイト(天河石)の青色小玉は、朝鮮半島産。日本海側の宝石交易ルートに、土井ヶ浜も入っていたのでしょう。

土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』は、11月15日まで。8月6日(日)には、貝で腕輪を作るイベントも企画されています。夏休みの作品にも良いですね。

土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』 道の駅ほうほく(山口県下関市豊北町)

土井ヶ浜遺跡発掘調査開始70周年記念、土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム開館30周年記念企画展『新説・土井ヶ浜弥生人』

*会期:2023年7月11日(火)~2023年11月5日(日)9:00~17:00
*会場:土井ヶ浜遺跡・人類学ミュージアム(山口県下関市豊北町神田上897-8)
*問合せ:083-788-1841
*入場料:大人200円、大学生等100円、高校生以下無料