恋しくば 尋来て見よ いづみなる 信太の森の うらみくずのは(竹田出雲「蘆屋道満大内鑑」)
こんにちは。山田です。道の駅ほうほく、本日は快晴。絶好のドライブ日和です。日曜は、ほうほく夢市場の丼物が充実しています!
うに丼もいいですが、リーズナブルな釜揚げシラス丼も人気です。道の駅ほうほくレストランわくわく亭での海鮮丼以外にも、ゆめ市場の丼物がおススメ。ワンコインで買える土日限定の海鮮いなり寿司は、華やかでお子様連れにも人気!
先日、角島大橋の本土側にある海士ヶ瀬(あまがせ)公園に、「すみっこまち下関ラッピング自動販売機」が設置されたというので、行ってみました。さすが、本州のすみっこ、鮮やかな青い海と白い橋に、かわいいキャラクターの自販機がお似合いです☆
一方、道の駅ほうほくの近くの道端では、大きな緑色の一反もめん(いったんもめん)を発見。ええ、きたろうくんと一緒のあれ…みたいな、緑色の、葉っぱのかたまりです。
正体は、夏にうっそうと茂る葛(クズ)。秋の七草のひとつですが、もうほんと、すごく強い蔓草(つるくさ)です。町内あちこちで、一反もめんのような姿が見られるはず。
恋しくば 尋来て見よ いづみなる 信太の森の うらみくずのは(竹田出雲「蘆屋道満大内鑑」)
↓
恋しくば 尋(たずね)来て見よ いづみ(和泉)なる 信太の森(しのだのもり)の うらみ(恨み)くず(葛)のは(葉)(竹田出雲「蘆屋道満大内鑑」)
↓
私が恋しかったら訪ねて来てください、和泉国(いずみのくに:大阪府)にある「信太の森」の葛の葉のように裏表のある私ですが。
今回の冒頭は、江戸時代の大衆演劇である浄瑠璃(じょうるり)や歌舞伎(かぶき)の演目「蘆屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)」から。作者の竹田出雲(たけだいずも:?~1747)は、大阪の人形浄瑠璃の座元(興行元)で、多くの有名な演目の作者でもあり、「蘆屋道満大内鑑」は代表作のひとつ。
享保19(1734)年、浄瑠璃として、竹田出雲の大阪竹本座で初演、翌年に京都で歌舞伎化されました。ちなみに、タイトルに入っている「蘆屋道満(あしやどうまん)」は、ライバルキャラの名前です。
物語の舞台は平安時代、和泉国(いずみのくに:大阪府)。信太森(しのだのもり)の白狐(びゃっこ)が、安倍保名(あべのやすな)と夫婦となり、陰陽師(おんみょうじ)・安倍晴明(あべのせいめい)を生んだという「信太妻(しのだづま)」の伝説が、もとになっています。この和歌は、正体がばれた白狐が、安倍父子と別れる時に、残していったもの。
「くずのは(葛の葉)」は、白狐が名乗っていた名前。葛の葉は、表は濃い緑ですが、裏は白い毛が生えて白く見えて、裏表で色が大きく異なることから、正体を隠して人間に化けていた白狐の名前に使われたのでしょう。
今の時期に花が咲く葛は、マメ科のつる性植物で、「秋の七草」のひとつ。茎から繊維を取り出して葛布を織ったり、根からとれる葛粉は古くから菓子などに使われているほか、風邪薬として知られる「葛根湯」の材料でもあります。
道端にあると標識などを覆ってしまって迷惑なのですが、役に立つ使い方もあるのですね。