落紅は是れ無情の物にあらず
浩蕩離愁白日斜、吟鞭東指即天涯。落紅不是無情物、化作春泥更護花。(龔自珍「己亥雜詩」)
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは曇り、昼前から雨。豊北町では、満開となった桜を散らす雨となるでしょう。
個人的におすすめの、寺畑の一本桜は、散り始めていました。桜の種類なのか、日当たりや風なのか、ここはいつも花が短い気がします。
浩蕩離愁白日斜、吟鞭東指即天涯。落紅不是無情物、化作春泥更護花。(龔自珍「己亥雜詩」)
↓
浩蕩(こうとう)たる離愁(りしゅう)白日(はくじつ)斜めに、
吟鞭(ぎんべん)東を指す即ち天涯(てんがい)。
落紅(らっこう)は是(こ)れ無情の物にあらずして、
化して春泥(しゅんでい)と作(な)りても更に花を護らん。(龔自珍「己亥雜詩」)
↓
果てしない別れの悲しみの中で太陽はすでに西に傾き、
詩を吟じながら鞭で東の天の果てを指す。
散って落ちた花弁は心のないものではなく、
春の泥となって大地にかえり次世代の花を咲かせる。
今回の冒頭は、散り始めた桜のイメージで、中国・清代の学者・文人の龔自珍(きょうじちん:1792-1841)の「己亥雜詩(きがいざっし)」から。龔自珍は浙江省の出身、文人の外祖父・段玉裁の教えを受けて若年から文才を示し、劉逢禄に師事して公羊学(くようがく)に傾倒。
官途に就くも、48歳で辞任して、二年後に没しますが、その間、思想家として活動。公羊学は経書の1つである『春秋公羊伝』を中心とする学問で、清代末期に盛んとなり、当時の思想界に多大な影響を与えて、革新運動の哲学的基礎となりました。
この詩は、道光19(1839)年、官を辞して、故郷へ向かうに際して詠んだもの。花は散ってもその花弁は肥料となって次の花を咲かせるとは、官吏でなくなっても国のために身を尽くすという、龔自珍自身の覚悟でしょう。
西欧列強の脅威が迫る中、国家の危機を予感した、悲壮感があります。時代や地域は違えど、散る花に何かしら思いを感じる心は、同じかもしれません。
引き続き、豊北町の桜めぐり。豊北町滝部の豊関農機さんの桜。ちょうど満開の大きな桜の木から、小川の水面に、花弁が舞い散っています。
豊北町滝部の中心部、下市交差点に面したJA山口豊北町支所も、見頃を迎えた桜の木が川沿いに並んでいます。交通安全運動も始まりましたね。
豊北町滝部の太陽館の桜も、満開になっています。ちょっと変わった建築物との組み合わせも、見て楽しいところ。
豊北町滝部、サンマートのお向かいにあるF-styleさんの桜も満開で、夜にはライトアップされているそうです。お店の多いところで車の出入りも激しいので、運転にはご注意を。
豊北町神田上根崎、神田一宮住吉神社御旅所の桜は、ちょうど満開。ここは日当たりも風あたりも良いのですが、今年は少し花が遅めのもよう。
豊北町神田にあるJR特牛(こっとい)駅では、ちょうど花弁が舞う中を、通学バスが走っていきました。さりげない風景が、青春ですね。
豊北町滝部にある豊北中学校も桜の花が満開で、新学期を歓迎しています。新入生も、心躍ることでしょう。
豊北中学校の斜向かい、豊北総合運動公園。ここでは、お花見しながらスポーツを楽しめそうです。
道の駅ほうほくには、お花のような色鮮やかな商品もあります。たかはたファームさんのノンオイルドレッシング・大根と人参は、舞い散る桜のような色彩で、食卓が華やかになります。ジャムもいろいろな種類でいろんな色があるので、ぜひ手に取ってみてください☆