遇斯光庵展2024と豊田ホタル舟
とぶ蛍 まことのこひに あらねども 光ゆゝしき ゆふやみの空(馬内侍『馬内侍集』)
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは快晴、ドライブ日和です。この土日は、予報では雨マーク。お出かけはお早めに!
一昨日6/5から、道の駅ほうほくがある下関市豊北町のお隣、豊田町で、ホタル舟の運航が始まったので、さっそく乗ってきました。船上から木屋川のゲンジボタルを眺めるホタル舟は、平成3(1991)年、豊田町で初めて誕生☆
現在まで続く日本初のホタル舟は、木屋川本流を下ること約20分間、豊田町の初夏の風物詩です。毎年大人気で、今年もほぼ満席とか。道の駅蛍街道西ノ市に指定の時間に集まると、バスで船着き場へ移動。周辺を蛍の光が漂う中、ライフジャケットをつけて乗船。
乗船中は写真撮影禁止なので、蛍の画像は以前に別の場所で撮ったもの。木屋川の蛍の最盛期はこれからですが、それでもじゅうぶんな数がまたたく中、ガイドの説明を聞きつつ、ゆったりと船が進みます。
夜闇に川面の反射できらめく蛍の光、かすかな水音と舵の音。非日常な世界…。粟野川水系は木屋川水系より蛍のピークが早いのですが、環境や水温で違うそうです。豊北町で蛍の景勝地を見つけたら、道の駅の情報コーナーまでお知らせください!
とぶ蛍 まことのこひに あらねども 光ゆゝしき ゆふやみの空(馬内侍『馬内侍集』)
↓
と(飛)ぶ蛍 まこと(真)のこひ(こい/恋)(ひ/火)に あらねども 光ゆゝしき(ゆゆしき) ゆふやみ(夕闇)の空(馬内侍『馬内侍集』)
↓
夕闇の空を飛ぶ蛍の光が真実の火ではないけれどおそろしいほど美しいように、あなたが私に告げた恋心が本気ではないただの遊びだったとしても、私にとってはおそろしいほど美しいものなのです。
今回の冒頭は、平安時代、朝廷に仕えた女官・馬内侍(うまのないし)の歌集『馬内侍集』から。「馬内侍」は宮中での呼び名(伺候名)で、父は源時明とされます。
「内侍」は女官の役職名で、父が朝廷の厩を管理する役所・馬寮(めりょう)の長官であったところから「馬」をつけて「馬内侍」と呼ばれました。一条天皇の中宮・藤原定子(ふじわらのていし)に仕えて、『枕草子』で知られる清少納言(せいしょうなごん)とは同僚にあたります。
この和歌は、詞書に「やむごとなき人の御ふみひとたびありて、またおとづれもなければ、五月つごもりころに」とあって、高貴な身分の男性から恋文をもらったもののその後の進展がないので、5月末頃に詠んだもの。思いがけない相手から恋をささやかれてときめいた心は、それだけで夕闇にまたたく蛍の光のように、美しい思い出となったのでしょうか。
道の駅ほうほくから車で約15分、下関市豊北町滝部の遇斯光庵(ぐしこうあん)さんにて、今日から3日間、「遇斯光庵展2024 木・土の彩 -陶芸・木器・額縁作品展-」が開催されます。6月9日(日)まで、10時~17時(最終日は16時まで)。
今回は13人の作家さんが、遇斯光庵でそれぞれ、木や土から生み出した作品を展示しています。ちょうど菖蒲園も見頃を迎えていて、白から紫のいろんな花が色あざやか。
道の駅ほうほくからは、特牛交差点で国道435号に入り、美祢・山口方面へ約10分。二つ目の久森の信号で右折し、またすぐに右折して坂を登ります。数分で右手に中原農園があり、阿川と粟野に分かれるT字路で粟野へ向けて右折。
「菖蒲園」や「遇斯光庵」の旗に沿ってしばらく行くと、左側の山裾に遇斯光庵があります。石碑のある丘を過ぎて、粟野との境に近いところです。
イベント開催中は、道からの入り口に看板や旗が立っています。駐車場が狭いので、なるべく乗り合わせて、ぜひお出かけください♪
道の駅ほうほくにも、陶芸作品があります。ちょっとしたお土産はもちろん、日常生活の気分を変えたい時は、まず手に取るものを変えてみるのも良いかと。
インテリアに素敵な、お花や海に漂着するシーグラスを使った作品も。いろんなアイデアがあるものですね。
見どころいっぱいの初夏の豊北町へ、ぜひお出かけください。お待ちしています♪