本格的な夏のはじまり
今急往此水門。以水洗汝身。即取其水門之蒲黃敷散而。輾轉其上者。汝身如本膚必差。(『古事記』上巻)

阿川ほうせんぐり海浜公園 山口県下関市豊北町阿川
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは雨模様ですが、昨日7月13日、コバルトブルービーチ(角島)、赤田キャンプ・海水浴場(神田)、阿川ほうせんぐり海浜公園(阿川)が海開きして、豊北町域の全ての海水浴場がオープンしました。夏ですね!
今日はあいにくのお天気ですが、晴れているとどこの海水浴場も、波打ち寄せる白い砂浜と青い海のコントラストがきれいです。ぜひお出かけください☆

角島夢崎のハマユウ 2024年7月12日 山口県下関市豊北町角島
一昨日と昨日、道の駅ほうほくから車で約15分、下関市豊北町角島のハマユウを見に行きました。ちょうど満開!

角島夢崎のハマユウ 2024年7月13日 山口県下関市豊北町角島
角島灯台のある夢崎には、ハマユウ群生地があり、毎年7月頃、綺麗な白い花を咲かせます。ハマユウは下関市の「市の花」でもあり、夢崎は青い海や白い灯台、夢崎明神の石垣や海に沈む夕日などとあわせて、ゆっくりお散歩しながら眺めたいところです。

角島夢崎のハマユウ 2024年7月12日 山口県下関市豊北町角島
さて、道の駅ほうほくがある下関市豊北町には、農業用ため池がたくさんあり、折々の花が咲いたりします。豊北町田耕市庭、国道435線沿いにある、道挿(みちばさみ)溜池では、ガマの花が盛りを迎えていました。

道端のガマの穂 2024年7月11日 山口県下関市豊北町田耕
ガマ(蒲)は、ガマ科ガマ属の植物。ガマの葉は最大で150cmから200cm、6月から8月に茶色の花が咲きます。茶褐色部分は雌花で、弾力があってふんわり膨らみます。上部の細長い棒が雄花で、雄花も雌花も花弁がないのが特徴。穂状なことから、花なのに「ガマの穂」と呼ばれています。
ガマの穂の大きさは10cmから20cmほど、太さは2cmから3cmほど。茎が細く、太い穂が目立ちます。花粉は蒲黄(ほおう)と呼ばれ、止血や利尿の生薬として利用されます。日本神話「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」でも、皮を剥かれたウサギは傷を癒す方法として、ガマの穂を敷いてその上を転がるよう教わります。

道端のガマの穂 2024年7月11日 山口県下関市豊北町田耕
今急往此水門。以水洗汝身。即取其水門之蒲黃敷散而。輾轉其上者。汝身如本膚必差。(『古事記』上巻)
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今急(すむや/すみや)かに此(こ)の水門(みなと)に往き、水を以ちて汝(な)が身を洗ふ(洗う)即ち、其の水門の蒲(かま)の黄(はな)を取り、敷き散らして、其の上に輾(こ)ひ轉(まろ)ばば、汝(な)が身、本(もと)の膚(はだ)の如く必ず差(い)えむ。(『古事記』上巻)
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すぐにそこの水門に行って、水でおまえの身体を洗って、その水門に生えた蒲の穂をとって、敷き散らして、その上を転がりまわると、おまえの身体はもとの肌のようにきっと癒えるだろうよ。

道端のガマの穂 2024年7月11日 山口県下関市豊北町田耕
今回の冒頭は、日本最古の歴史書『古事記(こじき)』上巻から。主人公は、出雲の神様、大国主(おおくにぬし)。兄弟たちと因幡(いなば:今の鳥取県)を訪ねる旅の途中、皆の荷物を持たされて一行から遅れた大国主は、泣いているウサギと出会います。
ウサギは海の向こうの隠岐(おき:島根県)という島に住んでいたのですが、因幡に渡るために、海のワニ(サメのこと)に「どちらの仲間が多いかくらべっこしよう」と話をもちかけました。ワニの仲間がずらりと島から因幡に並び、ウサギは数をかぞえるふりをしてワニの背を渡りました。

阿川ほうせんぐり海浜公園 山口県下関市豊北町阿川
因幡の岸に着く直前、ウサギはついワニをだましたことをしゃべってしまい、怒ったワニに皮を剥かれてしまったのです。痛くて泣いているウサギに、通りかかった大国主の兄神たちは「海に浸かって風で乾かすとよい」と嘘を教え、ウサギはさらなる痛みに泣いていたのでした。

道端のガマの穂 2024年7月11日 山口県下関市豊北町田耕
引用した箇所は、大国主がウサギに教えた治療法で、真水で体を洗い、ガマの穂を敷いて寝ころべというもの。ウサギが教わった通りにすると、身体はもとに戻りました。昔の人は、ガマの効能を知っていて、こんなお話になったのでしょう。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
ガマの穂は、かまぼこ(蒲鉾)の語源でもあります。道の駅ほうほくには、美味しいかまぼこがたくさんあるので、ぜひいろいろ食べてみてください。お土産にも人気です☆

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町