『青池保子展 Contrail 航跡のかがやき』に行きました
最高貴にして最高位、最強なるレオンとカスティーリャの王ペドロ(セビリア・アルカサル外壁碑文)
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは快晴、ドライブ日和です🚙
先日、道の駅から車で約1時間、下関市長府にある下関市立美術館で開催中の、『青池保子展 Contrail 航跡のかがやき』に行きました。漫画家生活60周年記念!
2024年10月14日まで。青池保子さんは1948(昭和23)年生まれ、下関市長府の出身で、1963(昭和38)年、15歳でデビュー。下関市で学校生活を送りながらの漫画家生活をスタートし、60年以上活躍している、少女漫画界のレジェンドです。
個人的には、ヨーロッパが舞台の歴史ものの印象が強い作家さんです。14世紀カスティーリャ(スペイン)の残酷王ペドロ1世が主人公の『アルカサル -王城-』、16世紀アルマダ海戦をクライマックスとする『エル・アルコン -鷹-』、アルカサルのスピンオフでもある14世紀ドイツ修道院が舞台の『修道士ファルコ』、そのさらにスピンオフで中世都市ケルンの事件簿『ケルン市警オド』など。
代表作は、デフォルメされた歴史上の偉人たちが登場するドタバタ劇『イブの息子たち』と、冷戦期のヨーロッパにはじまり現代に続くアクション・コメディ『エロイカより愛をこめて』。『イブの息子たち』には下関出身作家らしく高杉晋作が登場するし、『エロイカより愛をこめて』では主役をのっとったエーベルバッハ少佐の活躍で知名度アップに貢献したとしてドイツ都市エーベルバッハから名誉市民に認定されたりしています。
今回の展示では、カラー原稿からスケッチブックまで、各種300点に及ぶイラストを間近に見ることができます。カラー原稿の説明板には、ところどころご本人によるコメントがついていて、見どころを教えてくれます。特に『アルカサル』は衣装や建物のアラベスク模様が緻密で、見ごたえあります。
また、会場には、特別展示として、12年ぶりの描き下ろしとなる『エロイカより愛をこめて』の少佐と伯爵が、赤間神宮を訪れている描き下ろしカラーイラスト(撮影可)も。これだけは会場内で撮影可なのです!漫画を読んだことがなくても、綺麗で迫力があるイラストがたくさんなので、ぜひ見に行ってください!
最高貴にして最高位、最強なるレオンとカスティーリャの王ペドロ(セビリア・アルカサル外壁)
今回の冒頭は、スペインのセビリアにあるアルカサル(城)の外壁に刻まれた、ペドロ1世を称える碑文から。セビリアのアルカサルは、レコンキスタ(国土回復運動)の一環で、セビリアにあったモスク(イスラム教寺院)を奪還し、カスティーリャ王ペドロ1世が改装したもの。
「レオン」はもともとイベリア半島にあった国で、14世紀にはカスティーリャに併合されていました。当時、カスティーリャ王の称号が「レオンとカスティーリャの王」だったわけです。カスティーリャは、お菓子の「カステラ」の語源とされています。
歴史上の人物を主人公に据えた漫画は数多いのですが、どうしても心情メインになって、実際「やったこと」の扱いは軽くなりがちです。青池保子さんは、そういう「史実をフィクションに落とし込む」ことがとても上手だと思います。
道の駅ほうほくがある下関市豊北町には、天然の芸術があります。青い空、青い海!
角島大橋のかかる海士ヶ瀬はもちろん、先週豊北夏祭りが行われた、阿川ほうせんぐり海浜公園。綺麗な海です。他にも綺麗な景色がたくさん。ぜひ見に来てください!
道の駅ほうほくには、そんな豊北町の風景を描いたイラスト入りのお菓子や、綺麗な宝石みたいなお菓子がいろいろあります。こちらもぜひ☆