角島水仙と豊北図書館と九州国立博物館特別展「はにわ」
則其土物。始立于日葉酢媛命之墓。仍號是土物謂埴輪。亦名立物也。仍下令曰。自今以後。陵墓必樹是土物。無傷人焉。(『日本書紀』垂仁天皇三十二年癸亥秋七月己卯条)

角島灯台公園の水仙 2025年1月30日 山口県下関市豊北町角島
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは、曇り。これから来週にかけて冷え込む予報です。寒さにご注意を!
一昨日(1/30)、角島灯台公園の水仙を見に行きました。だいぶお花の数が増えてきましたが、まだ五分咲きに届かないくらい。これからが楽しみです☆

角島灯台公園の水仙 2025年1月30日 山口県下関市豊北町角島
ところで、豊北町にも、図書館があることをご存知でしょうか?

下関市立豊北中学校 山口県下関市豊北町滝部
道の駅ほうほくから車で約10分、下関市立豊北中学校の中に、下関市立豊北図書館があります。司書さんもいて、9:30~18:30、休館は月曜と毎月最終金曜日と年末年始など。一般の方も、「図書館に来ました」と事務室に一声かければ入れます♪
…なのですが、2025年2月1日~28日、臨時休館。豊北中学校屋上防水改修工事の実施に伴い、書架・閲覧席スペースに足場を設置するためです。豊北図書館の本は見られませんが、事務室は空いているので、本の返却や取り寄せ、その他手続き可能です。

下関市立豊北図書館 山口県下関市豊北町滝部
先日伺うと、今年の大河ドラマにあわせて、江戸文化の本がテーマ展示されていました。あの南総里見八犬伝、もしかして私が中学時代に読んだ本かも。そして実は、郷土史関係もなにげに充実しています。

下関市立豊北図書館 山口県下関市豊北町滝部
豊北中学校は、2007年第8回JIA環境建築賞(一般建築部門)入賞、2008年グッドデザイン賞(公共施設・建築)を受賞していて、未来的な建築で建物を眺めるだけでも楽しい。豊北図書館の、一ヶ月後の再オープンをお楽しみに!

下関市立豊北図書館 山口県下関市豊北町滝部
昨日、福岡県太宰府市にある、九州国立博物館で開催中の特別展「はにわ」に行きました。「挂甲の武人」国宝指定50周年記念と、九州国立博物館開館20周年記念です。2025年5月11日まで、月曜休館。一部を除いて撮影可。

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
古墳時代、3世紀から6世紀にかけて作られた埴輪(はにわ)。権力者の墓である古墳に立てられ、その力を誇示しました。下関市域の古墳で埴輪の出土は、仁馬山古墳(有冨)や大門古墳(豊浦町黒井)くらいで、あまり聞きませんが、古墳時代を考える上で重要なアイテムです。

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
今回の展示では、国宝「埴輪 挂甲の武人(けいこうのぶじん)」をはじめ、人や物をかたどった埴輪の最高峰が、全国から集結。埴輪の広がりや技術の発展もたどれる、すごい展示です!

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
則其土物。始立于日葉酢媛命之墓。仍號是土物謂埴輪。亦名立物也。仍下令曰。自今以後。陵墓必樹是土物。無傷人焉。(『日本書紀』垂仁天皇三十二年癸亥秋七月己卯条)
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則ち其の土物(はにもの)を始めて日葉酢姫命(ひばすひめのみこと)の墓に立てつ。仍(よ)りて是(こ)の土物を號(なづ)けて『埴輪(はにわ)』と謂ふ(いう)。亦(また)の名は立物(たてもの)なり。仍りて令を下して曰く。今より以後(のち)、陵墓(みささぎ)に必ず是(こ)の土物を樹てゝ(たてて)、人を無傷(なやぶ)りそと。(『日本書紀』垂仁天皇三十二年癸亥秋七月己卯条)
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こうして、その土の細工物を、日葉酢姫(ひばすひめ)のお墓に立てることを始めました。そして、この土の細工物を「埴輪(はにわ)」と名付けました。別名は「立て物」です。そして、命令を下して「今より後は、身分の高い人の墓には、必ずこの土の細工物を立てることとして、生きている人間を傷つけてはならない」となったのです。

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
今回の冒頭は、720年(養老4)年に成立した、日本で初めての公的な歴史書『日本書紀』から。古くは『日本紀』とも言い、神代の時代から持統(じとう)天皇の代までを、編年体(へんねんたい)で記しています。
昔の、年号がなかった時代のことは、天皇の治世何年という書き方がされています。「垂仁天皇三十二年秋七月」とは、第11代垂仁(すいにん)天皇が即位して32年目の七月のこと。当時は旧暦なので、七月は初秋です。

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
垂仁天皇の皇后・日葉酢姫(ひばすひめ)が亡くなり、お墓を作ることになりました。当時、貴人のお墓には、側に仕えていた人々があの世でも貴人が不自由しないよう仕えるために、共に埋められていました。
しかし、それは良くないということで、垂仁天皇は、土で人や物のかたちを作って、日葉酢姫のお墓に副葬しました。これが「埴輪(はにわ)」の始まりのお話です。

九州国立博物館特別展「はにわ」 2025年5月11日まで 福岡県太宰府市
垂仁天皇にはいろんなエピソードがあり、以前にご紹介した「相撲(すもう)」の始まりもこの時代です。垂仁天皇に埴輪を作ることを勧めたのは、「相撲」のお話に登場した勝者・野見宿祢(のみのすくね)。

道の駅ほうほく 山口県下関市
垂仁天皇は、不老長寿の木の実「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」を求めたが、間に合わなかった…というお話も、よく知られています。「非時香菓」は、「いつも香りがある木の実」という意味。この「非時香菓」は橘(たちばな)とされていて、柑橘系の木の実です。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
道の駅ほうほくにも、みかんなど柑橘系の木の実や、柑橘系のお菓子がたくさんあります。山口県は夏みかんの名産地。さわやかな香りと味をぜひどうぞ☆