そろそろ終わりの角島水仙と新しい長府バイオマス発電所とぜっ鯛カツ丼!
醤酢尓 蒜都伎合而 鯛願 吾尓勿所見 水ク乃煮物(長意吉麻呂/『万葉集』第16巻3829番)

長府バイオマス発電所 山口県下関市長府扇町
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは、雲が多いですが明るいので、だんだん晴れそうです。

角島灯台公園の水仙 2025年3月7日 山口県下関市豊北町角島
角島灯台公園の水仙は、そろそろ盛りを過ぎたくらい。お花の数が少し減っていますが、まだ見ごたえありました☆

長府バイオマス発電所 山口県下関市長府扇町
道の駅ほうほくから車で約1時間、下関市長府に新しくできた長府バイオマス発電所を見て来ました。夜に。昨年(2024年)12月30日に営業運転が始まった、木質ペレットを燃料に発電する国内最大級のバイオマス発電所!
東南アジアから輸入した木質ペレットを燃料にして、最大出力は国内最大級の74950kW(キロワット)、年間の電力量もおよそ5億kWh(キロワットアワー)。一般家庭で、およそ11万世帯分の電力を発電できるそうです。

長府バイオマス発電所 山口県下関市長府扇町
下関市は昨年、環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれました。この発電所では、年間およそ27万t(トン)のCO2排出抑制効果を見込んでいるとのこと。
ちょっと桁が大きすぎてイメージできませんが、地球温暖化対策のポイントのひとつとして、環境を守る下関市。静かな長府扇町の工業団地の夜に、煌々と輝いている発電所がその基地とは、不思議ですね。下関の夜景の、新たなスポットになるかも。

長府バイオマス発電所 山口県下関市長府扇町
醤酢尓 蒜都伎合而 鯛願 吾尓勿所見 水ク乃煮物(長意吉麻呂/『万葉集』第16巻3829番)
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醤(ひしお)酢(す)に 蒜(ひる)搗(つ)きかてて 鯛(たい)願ふ(ねがう) 我れにな見えそ 水葱(ねぎ)の羹(あつもの)(長意吉麻呂/『万葉集』第16巻3829番)
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醤と酢に蒜を細かく着いて鯛を食べたいと願っているのに、そんな私に見せるな、水葱の羮を。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
今回の冒頭は、奈良時代に編纂された日本最古の和歌集『万葉集』から。お魚の鯛(たい)の食べ方がうたわれた和歌です。
「醤(ひしお)」はしょうゆの原型とも言われる調味料で、もろみのようなもの。「醤」に「酢」を合わせたものが「醤酢」で、当時は高級品でした。「蒜(ひる)」は、ニラやニンニクのような香りの強い野草のこと。
食べ方のイメージとしては、土佐のカツオのたたきっぽいというか、イタリア料理のカルパッチョというか。薬味になるクセの強い野菜と、酢醤油ですからね。
「水葱(ねぎ)」は、当時よく食べられていたミズアオイという水辺の野草で、「羮」はスープのこと。こちらは庶民的な、よくあるメニューのようです。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
作者の長意吉麻呂(ながのおきまろ)は、『万葉集』に14首を残す、藤原京時代の歌人で、柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)と同時代。宴席で歌われた、言葉遊びのような楽しい和歌が多いです。
この歌も、「酢、醤、蒜、鯛、水葱を詠める歌」という題があり、方向性が異なる食材が並んでいます。長意吉麻呂は、「鯛のカルパッチョが食べたいのに、野菜スープを出すなんて」と、上手に詠みこんでコミカルな和歌に仕上げています。どちらのメニューも、どんな味だったのか、興味が湧きますね。

道の駅ほうほくレストランわくわく亭「ぜっ鯛カツ丼」 山口県下関市豊北町
道の駅ほうほくレストランわくわく亭で、今月のおすすめメニュー「ぜっ鯛カツ丼」を食べました。揚げたて熱々の骨なし天然真鯛フライのどんぶり、ぜひ食べてみてください!

道の駅ほうほくレストランわくわく亭「ぜっ鯛カツ丼」 山口県下関市豊北町