浜出祭といえばの「鰤切(ぶりきり)」と太翔館「明治からの暮らし」展
其跡にて鰤を三ツに切、此鰤を切候事三ヶ所孰も同様、此時庖丁の仕方置様等に古法御坐候、右鰤を切候事蒙古退治の儀式と申事に御坐候(『風土注進案』第18巻先大津宰判神田上村「古戦場」)

太翔館「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」 2025年5月18日まで 山口県下関市豊北町滝部
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは曇りですが、これから週末は晴れ予報です☀

太翔館「明治からの暮らし」展 2025年3月31日まで 山口県下関市豊北町滝部
道の駅ほうほくから車で約10分、豊北町滝部の下関市立豊北歴史民俗資料館「太翔館(たいしょうかん)」では、1F展示室で小学三年生社会科授業対応展「明治からの暮らし」開催中。入館無料、月曜休館、2025年3月31日まで。
この展示、スゴイです。展示されている昔の道具(の一部)は、実際に触って動かすことができます!

太翔館「明治からの暮らし」展 2025年3月31日まで 山口県下関市豊北町滝部
明治以来の、だんだんと便利になった世の中。その途中経過のあれこれを、民具で体感!
豆や穀物を細かくする石臼、洗濯物を手で回せる洗濯機。展示品なので、本当にものを入れて使うことはできません。

太翔館「明治からの暮らし」展 2025年3月31日まで 山口県下関市豊北町滝部
動かす力が人力だった道具で、でも前の時代に比べれば、たしかに便利になっている。そんな人類の進歩を、身近な道具から見ることができます。今どきの小学三年生、10歳くらいのお子さんにとっては、異世界の文化のようなものかもしれません。きっと面白いですよ!

太翔館「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」 2025年5月18日まで 山口県下関市豊北町滝部
太翔館2Fで開催中の企画展「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」では、浜出祭(はまいでさい)のメインイベント「鰤切(ぶりきり)」を体験できます。浜出祭は、豊北町で4月6日(日)開催予定の、七年に一度のお祭り。山口県指定無形民俗文化財。
「鰤切」は、土井ヶ浜で行われる行事。漁村の人がまな板の上に用意した10kgにもなる大きな鰤を、山村の人が手で触れずに箸(と包丁)だけで、片腕で持ち上げ、おろして、まな板の上でさばきます。鎌倉時代の蒙古襲来で、土井ヶ浜からモンゴル軍が上陸して戦いとなり、討ち取った様子を再現しているそうです。
太翔館では、鰤のぬいぐるみを重くして、箸で持ち上げるよう準備しています。誰でもやってみることができるので、ぜひ体験してみてください。5kgと1kgがありますが、私は1kgしか無理でした…。

太翔館「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」 2025年5月18日まで 山口県下関市豊北町滝部
其跡にて鰤を三ツに切、此鰤を切候事三ヶ所孰も同様、此時庖丁の仕方置様等に古法御坐候、右鰤を切候事蒙古退治の儀式と申事に御坐候(『風土注進案』第18巻先大津宰判神田上村「古戦場」)
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其跡(そのあと)にて鰤(ぶり)を三ツに切(きる)、此鰤(このぶり)を切候事(きりそうろうこと)三ヶ所孰(いずれ)も同様、此時(このとき)庖丁(ほうちょう)の仕方(しかた/つかいかた)置様(おきよう/ざま)等に古法(こほう)御坐候(ござそうろう)、右鰤を切候事(きりそうろうこと)蒙古退治の儀式と申事(もうすこと)に御坐候(ござそうろう)(『風土注進案』第18巻先大津宰判神田上村「古戦場」)
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その後に鰤を3つに切るが、3か所の座のどこも同じように行うもので、この時の庖丁さばきや置き方などには古法がある。この鰤を切ることは蒙古退治の儀式だと言っております。

太翔館「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」 2025年5月18日まで 山口県下関市豊北町滝部
今回の冒頭は、今回の冒頭は、江戸時代に編纂された長州(萩)藩の地誌『風土注進案』先大津宰判神田上村から、豊北町神玉土井ヶ浜とされる「古戦場」の部分。ここで行われる浜出祭の説明の、鰤切に関するところ。
江戸時代の山口県は、毛利家が藩主として支配していました。豊北町域では、阿川・滝部・神田・神玉などに萩藩の領地があり、粟野・田耕・角島・北宇賀などは長府藩の領地でした。萩藩は、領地を「宰判(さいばん)」という単位で分けていて、豊北町域は「先大津(さきおおつ)宰判」に入っていました。同じく長府藩による地誌は、『豊浦藩村浦明細書』です。
鰤切は、『風土注進案』が編纂された江戸時代後期には、すでに「古法」とされていたのですね。この儀式を、3月29日(日)、道の駅ほうほくでも見ることができます。11時からのカモンFM公開生放送でも、実況中継予定。ぜひお越しください!

太翔館「浜出祭 ~絵巻でたどる浜出祭~」 2025年5月18日まで 山口県下関市豊北町滝部
浜出祭の鰤切は、普通の村人が行うものですが、全国の神社仏閣では、専門の日本料理人が魚をさばいて奉納する「包丁式(ほうちょうしき)」と呼ばれる行事があります。奉納の為に花などを添えて芸術作品のように仕上げるもので、三つに切るだけの浜出祭の鰤切とはちょっと違いますね。
包丁式で良く使われる魚は、鯉(こい)や鯛(たい)。日本料理の世界では、格式が高いとされます。道の駅ほうほく鮮魚コーナーには、鰤や鯛が並んでいます🐟

道の駅ほうほくレストランわくわく亭「ぜっ鯛カツカレー」 山口県下関市豊北町
先日、道の駅ほうほくレストランわくわく亭で、今月のおすすめ「ぜっ鯛カツカレー」をいただきました。骨なし・天然真鯛の揚げたて熱々な鯛カツ(?)を添えた、迫力抜群の香ばしいカレーです。
受験や就職、何かの戦いがある皆様におすすめ。験を担いでぜっ鯛カツカレー、ぜひ一度、ご賞味を🍛