佐由利花 由利母相等 之多波布流 許己呂之奈久波 今日母倍米夜母(大伴家持『万葉集』第18巻4115番)
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは晴れていましたが、だんだん雲が多くなってきました。近くの道端では、白い百合がかわいらしく咲いています。ササユリでしょうか。
今日の道の駅ほうほくには、百合の王様カサブランカの花苗が、たくさん並んでいました。こちらはゴージャスに咲くのでしょうね。白とピンクがありますよ。
佐由利花 由利母相等 之多波布流 許己呂之奈久波 今日母倍米夜母(大伴家持『万葉集』第18巻4115番)
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さ百合花(さゆりばな) ゆり(後)も逢はむ(あはむ/あわん)と 下延ふる(したのぶる) 心しなくは(こころしなくば) 今日も経(へ)めやも(大伴家持『万葉集』第18巻4115番)
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百合の花のように、ゆり(後)に逢うつもりで、ひそかに思い続ける心がなければ、今日を過ごすことができようか。
今回の冒頭は「万葉集」から。日本最初の和歌集『万葉集』の編者とされる大伴家持(おおとものやかもち)が、天平感宝(てんぴょうかんぽう)元(749)年5月26日に詠んだ歌。今の暦では7月頃でしょうか。
当時、大伴家持は越中国(えっちゅうのくに:富山県)に、国守(くにのかみ:現在の県知事)として滞在していました。庭に咲く百合の花を見て、都に置いてきた妻を思って読んだ歌です。今は離れていても、いつかは会えると思うから、今日を頑張れる…万葉の時代の遠恋!
百合ではないですが、道の駅ほうほくの売店ほうほくゆめ市場で、百合みたいに白いナスを見つけました。その名も「とろーり旨ナス」。どんな味なのでしょうか。そしてどんな料理が合うのでしょうか。気になります!
さて、豊北町で夏といえば、海はもちろんですが、サバー様。道の駅からほど近い、下関市豊北町滝部にある下関市立豊北歴史民俗資料館「太翔館」では、北浦の夏の風物詩「サバー様」に関する企画展『北浦地方のサバー送り ―下関市北部の道のり―』開催中。
サバー様は、お隣の長門市で作られる、騎馬武者姿の藁人形(2体)。田んぼの稲につく害虫を追い払うために、田んぼから田んぼへと、長門市域では鉦太鼓で送られ、豊北町域では夜中にこっそり、旅をしておられます。すでにひと月以上経っているので、今見ても正体不明かもしれません。
これまでサバー様がたどったコースを、記録がある1996年から昨年度まで、地図パネルでまとめて見ることができます。先週はまだ豊北町二見にいらっしゃったというサバー様を探すなら、予習に最適ですね!
太翔館は、大正13(1924)年に竣工した、旧滝部小学校の建物。大正レトロなルネサンス様式の木造建築で、山口県指定有形文化財です。建物じたいも素敵なので、ぜひお立ち寄りくださいね☆
下関市立豊北歴史民俗資料館「太翔館」
- ・山口県下関市豊北町滝部3153-1
- ・電話:083-782-1651
- ・9:00~17:00
- ・休館日:月曜(年末年始、12/29~1/3)
- ・入館無料