サビエル記念聖堂と角島大浜の映画ロケセットの教会
領主はこれと同時に、学院のような一宇の寺院を私たちが住むようにと与えてくださいました。(フランシスコ・サビエル「書簡第九六 ヨーロッパのイエズス会員にあてて 1552年1月29日 コーチンより」『山口県史 史料編 中世1』)
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほくは曇りがちな晴れ模様。それでも、展望テラスから眺める海がきれいです。
先日、山口市へイルミネーションを見に行きました。山口市は日本のクリスマス発祥の地として、日本のクリスマスは山口から実行委員会による事業「12月、山口市はクリスマス市になる。」が行われていました。
残念ながら、ほとんどのイベントは12月25日か31日までで終了。樹木をフィンランド国旗カラーの青と白で飾る、中原中也記念館前のイルミネーションは1月6日まで。
亀山公園(山口県立美術館横)の、「旧山口サビエル記念聖堂シンボルモニュメント」は見ることができました。こちらは12月31日で終了です。小学校の時に修学旅行で行ったのは旧聖堂でしたが、1991年に焼失。その後、7年の歳月をかけて、1998年に現在のサビエル記念聖堂が再建されました。夜のサビエル記念聖堂も、ライトアップ。
美術館横の「未来を奏でる光のアンサンブル」は、「山口の人、文化、歴史といった様々な意味の光が織りなし重なり合い(アンサンブル)、未来が生まれる光」がテーマだそう。遊歩道になっているので、ゆっくり歩いてみました。
さて、道の駅ほうほくがある下関市豊北町にはカトリックやプロテスタントのキリスト教の建物はありませんが、道の駅から車で15分ほど行った角島の中には、教会風の建物ならあります。大浜海水浴場に建つ礼拝堂は、映画『四日間の奇蹟』ロケセットとして建てられたもの。
原作は浅倉卓弥の小説『四日間の奇蹟』(宝島社、2003年)で、下関市出身の笹部清監督が角島を舞台に映画化し、2005年に公開。映画に登場する教会は、もともと大浜海水浴場に設置してあったトイレを利用し、それを覆うようにして作られ、現在も残されています。
角島灯台に登って上から眺めると、大浜海水浴場に立つ白い建物が際立って見えます。近くからでも良いですが、遠くからでもぜひ眺めてみてください!
領主はこれと同時に、学院のような一宇の寺院を私たちが住むようにと与えてくださいました。(フランシスコ・サビエル「書簡第九六 ヨーロッパのイエズス会員にあてて 1552年1月29日 コーチンより」『山口県史 史料編 中世1』)
今回の冒頭は『山口県史 史料編 中世1』(1996年、山口県)に掲載の、フランシスコ・サビエルの書簡から。河野純徳訳『聖フランシスコ・ザビエル全書簡』(1985年、平凡社)の引用です。「領主」は、山口を本拠とした大内義隆のこと。
ここでサビエルたちに与えられた「一宇の寺院」とは、大道寺の名前で知られます。跡地とされる山口市金古曽町には、現在サビエル公園がありますが、出土物等がないので、本当にここかどうかはわかりません。「一宇(いちう)」の「宇」は「軒」のことで、建物の数え方です。
サビエルたちヨーロッパ人が、戦国時代の日本にもたらしたものはいろいろありますが、お菓子のボーロもそのひとつ。道の駅ほうほくには、地元・豊北町矢玉の吉村菓子舗さんのボーロが並んでいます。
ボーロ(bolo)とは、ポルトガル語でケーキ等の焼き菓子を総称する言葉。日本に伝わった後、小麦粉や蕎麦粉、馬鈴薯澱粉を使う焼き菓子(芳露)だけの意味になり、卵や重曹を加えることで独自の進化を遂げました。
個人的なイチオシは生姜ボーロですが、ピーナッツボーロも香ばしいお味。およそ500年前にポルトガルから地球を半周して到来したお菓子の後裔を、ぜひ食べてみてください!