角島夢崎のハマユウと滝部夏の市とわらびもち?
紫塵嫩蕨人拳手。碧玉寒蘆錐脱嚢。(小野篁「和早春晴」/『和漢朗詠集』上巻)

夢崎のハマユウ 2024年7月20日 山口県下関市豊北町角島
こんにちは。山田です。今朝の道の駅ほうほく、昨日とはうって変わって快晴。学校の夏休みも始まって、ご家族のお出かけにぜひ☆

夢崎のハマユウ 2024年7月20日 山口県下関市豊北町角島
昨夕、青空が覗いたので、角島灯台のふもと、夢崎のハマユウを見に行きました。そろそろ盛りを過ぎはじめたようですが、まだまだ見ごたえあります。気になる方は、お早めに!

夢崎のハマユウ 2024年7月20日 山口県下関市豊北町角島
紫塵嫩蕨人拳手。碧玉寒蘆錐脱嚢。(小野篁「和早春晴」/『和漢朗詠集』上巻)
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紫塵(しぢん/しじん)の嫩(わかき)蕨(わらび)人(ひと)手を拳(にぎ)り、碧玉(へきぎょく)の寒き蘆(あし)錐(きり)嚢(ふくろ)を脱す。(小野篁「和早春晴」/『和漢朗詠集』上巻)
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紫色の綿毛をつけた若い蕨の姿は、人が拳を握った形のようで、緑色の玉のような水辺の細い蘆は、錐の先が袋をつきやぶっているように伸びている。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
今回の冒頭は藤原公任『和漢朗詠集』から。藤原公任(ふじわらのきんとう:966-1041)は平安時代中期の公卿。関白太政大臣・藤原頼忠(ふじわらのよりただ)の長男。藤原道長の同世代で、文人として知られます。
『和漢朗詠集』は、藤原公任により編纂された和歌と漢詩の歌謡集。上下二巻。「和」は和歌、「漢」は漢詩のことで、朗詠に適した和歌216首、漢詩文の秀句588首の計804首を収めています。後世の文学作品には、この中から和歌や漢詩をそらんじている場面がたくさん登場します。
作者の小野篁(おののたかむら:802-852)は、平安時代前期の貴族・文人。当時国交のあった中国・唐王朝への遣唐副使に任命されたのに大使と争って流罪になったり、昼は朝廷に仕え夜は地獄の閻魔大王に仕えた伝説があったり、さまざまなエピソードがあります。

わらびもち風こんにゃく
この漢詩は、わらび餅が重要なアイテムとなる「狂言(きょうげん)」の演目「岡太夫(おかだゆう)」に登場します。室町時代に起こった「狂言」は、中世の庶民の日常生活を明るく描いた、セリフが中心の喜劇。
主人公の男は、ひとりで訪ねた妻の実家で食べたわらび餅を、とても気に入ります。帰宅して妻にも作らせようとしますが、名前を忘れてしまいました。義父から「娘が好きな『和漢朗詠集』にも載っている」と聞いていたので、名前を思い出すため、妻に『和漢朗詠集』の漢詩を暗唱させますが、なかなか正解にたどり着きません。
イライラした夫が妻の手をはたき、妻が冒頭の漢詩で「私のわらびのような手を…」と言い出して、「わらび餅」の名前が判明、最後は仲直りします。「わらび餅」の名前について、義父や妻とやりとりを繰り返すさまが、笑いどころ。

道の駅ほうほく 山口県下関市豊北町
道の駅ほうほくには、原田食品さんの「わらびもち風こんにゃく」があります。わらびもちにしては少し硬めですが、こんにゃくにしては柔らかいぷにぷに食感。
食べる前に切る時は、たくさん刻み目をつけ、なるべく小さくすると黒蜜やきなこがよく絡むのでおすすめ。ぜひ、よく冷やして、食べてみてください!
7月27日(土)17時~、道の駅から車で約10分、滝部太陽館駐車場にて「滝部夏の市」が開催されます。たくさんの出店やキッチンカーがならぶ滝部マルシェ、恒例のうちわ展示、豊北野菜・卵の無料配布、そして最後は大抽選会☆
じゃんけん大会や地元のダンスチームや住みます芸人も出演するステージイベントなど、お楽しみ盛りだくさんの滝部夏の市。7月27日夜に豊北町にいるなら、ぜひお越しください!